理念

理念・ミッション

理念
ミッション

「認知症になっても住みやすい」地域を作り続けたい

ほのぼの朝日ネットワーク理事長 高井 優

大学受験に失敗し、暇を持て余していた時、「そんなに暇ならアルバイトを」と朝日のグループホームでアルバイトを始めたのが、初めて介護の世界に関わることになったきっかけです。大学に入った後も夏休みに手伝いに行っていましたが、大学卒業後に本格的にほのぼの朝日ネットワークで働くことになりました。

認知症や介護の考え方が大きく変わった転換点が2016年の28歳の時に肺結核を患った時です。隔離病棟での生活が始まり、当時妻のお腹の中には子どもを授かっていました。「退院できるのが半年後になるか1年後、2年後になるか分からない」と説明を受けた時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。やる気は起きず、ただ窓の外やテレビを病室で眺める毎日を過ごしながらいつ出られるのか分からず不安に明け暮れていました。

その時にふと思い出したのが「いつ帰れるんや?」「自分はどうなってしまうんだ」とおっしゃっていた認知症がある利用者様の言葉です。先行きが見えない不安がこんなにも辛いなんて・・・
退院後はこんな辛い思いをしている方たちに自分は何ができるのかということを常に考えてきました。

現在ほのぼの朝日ネットワークでは、様々な事情を抱えて介護が必要になった方たち、ご自宅で過ごせなくなった方たち、様々な認知症の症状がある方たちが、やさしく受け入れられ、穏やかに暮らせる居場所づくり、やさしくて丁寧な介護の形を目指しています。
子育てや家事を一生懸命してきた方たちや、家族、社会のために汗をかきながら働いてきた方たち、大変な人生を80年、90年、100年と歩んできた方たちの晩年が少しでも楽しく、穏やかでやさしいものになるように支えていきたい!そんな想いで活動しています。

また、スタッフに対してもやさしい居場所でありたいと考えています。介護というのは、利用者様の多種多様な人生に関わる正解のない仕事なんです。だから失敗したり、上手くいかないのは当たり前!そんな時はチームでフォローしたり、アドバイスをもらったり、反対に自分が誰かを手助けしたり。そうやって自分たちの凸凹を補い合える組織を目指しています。

その一環が独自のトレーニング制度『ほのトレ』であり、未経験、無資格の方も最大3ヶ月間トレーニングをして、安心して仕事を始められる体制を整えています。その他にも残業をほぼ0にする取り組みや、産休・育休は当たり前ですが、子育て中のスタッフや介護中のスタッフの急な休みにも柔軟な対応など、スタッフにやさしい法人で在れるよう様々な取り組みを行っています。

最後に介護の仕事の面白いところは、『人を知る』ことだと私は思っています。人となりを知り、人生を知り、体のことを知り、心を知り、そうやって様々な人たちと関わっていくことで自分を知り、いくらでも新しい発見があるのがこの仕事の魅力です。そして人の笑顔や頑張っている姿、感動している姿を見て「あぁ、なんかいいな」という気持ちを味わえるのもこの仕事の素敵な部分です。

今後もほのぼの朝日ネットワークは認知症の方たち、ご家族、地域の皆さん、一緒に支えてくれるスタッフ、協力して下さるすべての人にとって『やさしい居場所』を目指していきます。